扉が開く音・・・


「んん・・・」


それと同時に思わず声を漏らす少女
少女の身体には縄が掛けられ、口には粘着テープが貼り付けられている

怯える少女の視線の先に姿を現したのは
今まで自分を誘拐しここに監禁した邪悪な犯人の姿ではなく、カジュアルな服装を身に纏った一人の女性だった・・・


「やっぱり、ここに人質を監禁してたのね!
 長時間張り込みしてた甲斐があったわ」


そう言うと女性は少女へと近づく


「んん!んー・・・」

「大丈夫、安心して
 私はあなたを誘拐した犯人をマークしていた刑事なの、あなたを助けに来たわ
 怖かったでしょ?でももうこれで、家に帰れるからね」


刑事と名乗った女性のやさしい笑顔に今以上に涙を溢す少女
それは当然恐怖の涙では無く、安堵に満ちた涙であった


「よかった、縄で縛られてるだけみたいね
 鎖とかそんな物騒な物で拘束されてたら解くのになかなか時間が掛かっちゃうから・・これならナイフ一本で十分ね
 待っててね、今その窮屈な縄をすぐ解いてあげるから」


刑事はポケットからアーミーナイフを取り出し
少女の縄を切ろうと前屈みになる、その瞬間だった




バチッ!




「・・・!」


刑事の首元へ突然に光る稲光
それと同時にその場へと倒れ込み動かなくなってしまう刑事・・・


「んーー!(刑事さん!)」


倒れた刑事に目線を向ける少女だったか
すぐさま他の人物の気配を感じ少女顔を前に向ける
するとそこには、暗がりにスタンガンを片手に持った犯人のシルエットが立っていた・・・


「ふー、危ねー危ねー
 まさかこんな場所まで突き止められるなんざ予想してなかったぜ・・・」


にやにやと不気味な笑みを浮かべる犯人に
少女は再び、恐怖に包まれていく・・・・




   

   


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